AIに「メタ・ビジョン」を持たせたかった
自分が見ていない間にも、面白いものを探していてほしかった。
2026年2月、AIと「メタ・ビジョン」という情報収集の仕組みを動かしていた。暗号資産の市場情報を集めて、点数を付け、気になる候補をDiscordへ届けるものだ。

画像:OpenClaw公式サイトの共有用ビジュアル。当時使っていたエージェント環境の紹介で、メタ・ビジョンの操作画面ではありません。
名前は、ブルーロックから
ブルーロックが好きで、自分のAIにも潔世一の名前を付けている。情報を広く見渡して、機会を探す仕組みには「メタ・ビジョン」と名前を付けた。
ゲームのバグや裏技でも、新しいサービスでも、誰かが話題にしてから知るだけでは物足りない。
1月にChatGPTへ話したときも、「まだ日本人じゃ誰も知らないことを発見して発信して注目されたい」と言っていた。その気持ちを、今度はAIと動かす道具に向けていた。
ずっと画面を見張っている代わりに、情報を集めるところを任せる。自分が見に行く候補を、先に拾っておいてほしかった。
まず動いたのは、集めて、採点して、知らせる仕組み
2月5日の作業メモには、情報を取得するdetect.mjsと、点数を付けるscore.mjsを動かした記録がある。
流れは、次のようなものだった。
市場の情報を取得する
→ 候補ごとに点数を付ける
→ 表示する内容を絞る
→ Discordへ通知する通知には、トークン名、チェーン、点数、流動性、出来高、SNSの有無、短い判断コメントを載せるようにしていた。
流動性は取引のしやすさに関わる情報、出来高は一定期間にどれだけ取引されたかを表す情報だ。点数だけを投げるより、何を見てその候補を拾ったのか、周りの数字も読めるようにしていた。
ただ、当時の計算式までは今回のメモから確かめられない。点数が高ければ利益が出る、という裏付けのある仕組みではなかった。
全部を同じ大きさで知らせると、読む側が詰まる
通知は、点数によって出し方を変えていた。
| 当時の点数区分 | 通知する内容 |
|---|---|
| 71点以上 | 該当する候補をすべて表示 |
| 51〜70点 | 上位3件を表示 |
| 50点以下 | 件数だけ表示 |
これは当時決めた通知の区分で、銘柄の安全性を証明する基準ではない。
大量の候補が届いても、結局すべて自分で読み直すなら、見る場所が増えただけになる。詳しく見るもの、ざっと見るもの、数だけ知ればよいもの。通知を作る側にも、優先順位が必要だった。
今振り返ると、点数を付けることと同じくらい、何を通知から省くかを決める部分が大事だったと思う。
名前は大きいが、調整は地道だった
作業メモには、もっと小さな修正も残っている。
採点する処理を1件から全件へ直した。APIの呼び出しが多すぎるときに返る429への対策として、待ち時間を500ミリ秒から1,500ミリ秒へ延ばした。記録を保存する場所を用意し、1時間ごとに走らせる設定を入れた。
Discordへのテスト送信も確認したと書かれている。
格好いい名前を付けても、最初から広い視野が手に入るわけではない。候補を一つしか処理していないなら、それを直す。呼び出しが詰まるなら、間隔を調整する。通知が読みにくければ、見せ方を変える。
その日の到達点は、こうした処理を動かし、通知までつなげたところだった。
本当に欲しかったのは、その先だった
同じ日の記録には、大口の取引を追うこと、オンチェーンの異常やSNSでの急増を捉えることが、次の段階として書かれている。すでに実装できた機能ではない。
数字を定期的に並べるところから、「いつもと違う」「これを見に行きたい」と思える変化を拾うところへ進めたかった。
今回確認したメモには、この仕組みで有益な発見ができたとか、収益が出たと評価できる結果までは残っていない。定期実行を設定したことも、その後ずっと安定して動き続けた証拠にはならない。
それでも、AIに欲しかった役割はよく分かる。
「稼いでこい」と任せた実験とは少し違って、このとき任せたかったのは、先に見ておくことだった。自分が何を見るか決める、その手前にもう一つ目が欲しかった。
「メタ・ビジョン」という大げさな名前の中身は、まだ収集と採点と通知だった。でも、何を作ろうとしていたかを思い出すには、ぴったりの名前だと思う。
2026年1月26日のChatGPTとの会話と、2月4日・5日の保存メモをもとにした振り返りです。動作については当時の記録を参照しており、今回の再実行や、現在の稼働を確認したものではありません。